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2011年7月 7日 (木)

東日本大震災と障害者の情報保障でシンポ

2011年7月5日 毎日新聞 ユニバ・リポート

 

写真字幕や音声解説など放送におけるバリアフリー化の推進を目指す障害者放送協議会が「東日本大震災と障害者の情報保障」をテーマに2日、東京都千代田区でシンポジウムを開催した。

シンポでは、3月に発生した東日本大震災の発生時やその後の避難生活において視覚や聴覚に障害のある人たちが災害や生活などの情報から取り残されてきたことが報告され、今回の教訓を今後の災害にどう生かしていくべきかが話し合われた。

シンポは大阪会場にも生中継され、東西の会場に訪れた人のほか、特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構が聴覚障害者向けに手話や字幕で伝える「目で聴くテレビ」の実況放送により多くの人が視聴した。

◆震災時情報は障害者に届いたのか


日本障害フォーラム(JDF)のメンバーが6月に被災地を訪れ実際に被災した障害者にインタビューしたものをまとめたビデオりポートが紹介された。

その中で

「自治体が発する防災無線などは聞くことができず

何も分からないまま津波に流された人が多かったのではないか」

「緊急時に手話や筆談でコミュニケーションを取れる人が居ない」

といった聴覚障害者の意見や、

「やっと手に入れたラジオからは必要な地元の情報が得られなかった」

と視覚障害者が語っていた。


障害当事者団体や支援団体からは、

「地震発生時、視覚や聴覚障害者は地震が起こったことは分かったが、

その後の津波警報や避難情報を利用することが難しかった」

「視覚障害者は1人で避難することができなかった」

「聴覚障害者はテレビなどで流されていた大津波警報も停電により知ることができなかった」

などの報告があった。


また避難所内での移動が不自由な視覚障害者が食料や物資の配給から漏れてしまったことや避難所内のテレビで提供されるテロップ情報が利用できないこと、見た目に障害の有無が分かりにくい聴覚障害者が音声アナウンスで伝えられたため食料や物資の配給情報自体を知ることができなかったことなどが紹介された。


NHK編成局の森本清文専任部長は

「NHKでは震災発生直後、字幕制作会社に依頼し15時9分からニュースに生字幕を付け始め、

その後も定時枠を中心に字幕放送時間を延長してきた。

震災報道にも字幕や手話を付けるなどバリアフリーな放送を心がけた」
と報告。

一部のニュースでは放送技術研究所で研究開発が進められている、アナウンサーの肉声をリアルタイムに自動文字変換する音声認識装置が使用され一定の成果を上げたことも説明した。


これに対して、会場の聴覚障害者からは

「まだまだ字幕は足りない。100%の字幕放送を目指してほしい」

という声が上がった。


字幕以外の取り組みでは、今回の震災から官邸会見に付く手話通訳を別画面で表示することで見やすくしたり、グーグルが提供するサービスと連動して安否情報や避難所の避難者リストをホームページから検索できるようにするなどインターネットやデータ放送の活用事例が紹介された。


今後の課題として、NHKホームページの読み上げ対応版が使いにくいため見直すことや7月24日以降の地上デジタル放送の実施を生かしたデータ放送、インターネット、携帯電話などと連携したよりきめ細かな情報提供をしていきたいと語った。


一方、テレビや全国の防災無線などと連動し音声で緊急情報を伝える「全国瞬時警報システム(J-ALERT)」が緊急時に情報伝達を確実にする点においては有効なものだが、聞こえない人見えない人への配慮がない点を「目で聴くテレビ」の大嶋雄三専務理事が指摘。

「放送局に対して信号が流れ、それを文字を変換して放送するが、見えない人はどうやって知るのか? 情報が出るときに注目を促すアラームが最初に鳴るが、聞こえない人にはそのアラームが聞こえず文字を見逃す可能性がある」と、早急な障害者対策を訴えた。


◆人が作る壁 個人情報保護法と著作権法


「死者・行方不明者として分かっている視覚障害者の数は

4月末時点で7人だが、実際には50人ほどいるのではないか」

と東日本大震災視覚障害者支援対策本部の加藤俊和事務局長は話した。

今回の東日本大震災の特徴として、南北500キロ、東西50キロにもわたる被災地の広さや個人情報保護法により障害者名簿の開示がされないために被災障害者の把握ができないことが理由だと言う。


同本部は障害者名簿を入手できない代わり、宮城県と協議し、県内(仙台市を除く)の1、2級の全視覚障害者約1100人あてに資料を送付してもらえるよう依頼。返信用ハガキやFAX用紙などを同封し反応を待ったところ、約320人から返信があった。

「それだけの人たちが私たちの支援と結びつかずに埋もれていたのが事実」と、今後岩手県、福島県へと広げていく予定だ。


「著作権が大きな壁」と言うのは障害者放送協議会著作権委員会の河村宏委員長。災害時に必要とされる情報、放送、救援に役立つような著作物は、誰もがアクセスできるように形を変え提供することが著作権法により制限されている。これらを合法的に行えるようにする制度の整備を進めることが重要だと訴えた。


◆障害当事者の意見を反映したネットワーク作りを


「阪神・淡路大震災と比較して、

障害者への情報支援や障害者とのコミュニケーションに必要な情報通信技術(ICT)は

大きく発達し、日常的に支援を受けられる環境にあるがまだ十分な配慮が必要である。

ところがICTの利活用について行政などで検討がなされているようだが

障害者のニーズが反映されているだろうか」

と全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の高岡正理事長が発言し、障害者の問題解決に当事者の参加が不可欠な点を強調した。


最後に、地域コミュニティーに障害者を積極的に受け入れるゆとりと調和のある社会ほど災害に強い社会であるという認識を持って、今回の震災での教訓を生かし今後の復旧・復興計画や地域の防災計画、ライフラインなどのインフラ整備に生かしていくことが確認された。

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