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2011年7月20日 (水)

潮のにおいに津波の恐怖、今も癒えぬ心の傷

東日本大震災:

潮のにおいに津波の恐怖、今も癒えぬ心の傷--岩手・釜石の全盲男性

毎日新聞 2011年7月19日 東京夕刊



東日本大震災では多くの視覚障害者も被災した。

一命を取り留めたものの、心に深い傷が残り苦しんでいる人もいる。

その一人、岩手県釜石市に住む全盲の小笠原拓生さん(44)は

「『潮のにおい』で津波の恐怖がよみがえり、落ち着いて過ごすことができない」と訴える。

小笠原さんは27歳の時、免疫疾患の一種「ベーチェット病」が原因で全盲になった。

2人の叔父が会長と社長を務めるビル管理会社で働いており、

震災当日は海に近い市内の3階建て自宅兼事務所にいた。


 揺れが収まり2階で待機していると「(津波が)来た来た!」と叫び声が聞こえた。

必死で3階に駆け上がると、「ザザザ」という巨大な音が響いて、すぐに2階まで浸水。

水が引かなかったため、他の従業員らと3階で翌朝まで過ごした。


 周囲は強い潮の香りに包まれ、漏れたガソリンや灯油のにおいも混じり合う。

夜中には流れたがれきがぶつかり合う音が響いた。

「何を考えて過ごしていたのか覚えていない」。

妻と3人の子供は無事だったが、2人の叔父と従業員1人が津波の犠牲になった。


 叔父を継いで社長となった小笠原さんは、海岸から約5キロ離れた場所に自宅と事務所を移転。

2週間に1回は片付けなどのため被災した自宅に戻る。

建物に染み付いた潮のにおいをかぐたびに、「この場所にいるのが怖い」という気持ちになる。

一度、衣装ケースを開けたら腐った海水があふれ出てきたことがあり、その強烈な異臭は忘れられない。


 魚の腐敗臭にも不安をかき立てられる。

「被災地一帯が人間の力でコントロールできていないことを突きつけられているようだ。

 再び災害があった時に逃げられるのか。周りの人にリスクを負わせてしまうかもしれない」

と心配は尽きない。


 視覚障害者の福祉増進などに取り組む日本盲人福祉委員会は

「多くの被災者から悩みが寄せられている。

 生活面や心理面で、健常者よりも立ち直りが困難になっている」
と話す。

 

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