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2012年2月10日 (金)

視覚障害者 至難の帰宅…人込みで白杖使えず

2012年2月7日 読売新聞
 東日本大震災時に起きた首都圏の帰宅困難者問題で、
視覚障害者が「災害時は自分たちの存在にも気付いてほしい」と訴えている。

 視覚障害者と分かってもらえず、
人とぶつかったり、不慣れな場所に戸惑ったりして、転倒などの危険があったためだ。
国などで作る「帰宅困難者対策協議会」でも、災害弱者に関する議論は行われず、
3日に東京で実施された大規模訓練でもテーマにならなかった。

 昨年3月11日の大震災時、東京都杉並区上荻の「視覚障害者支援総合センター」で点字本製作などにあたっている全盲の男性(25)は、同センターで休憩中だった。
普段は一人で大田区まで帰宅するが、
この日は帰宅方向が同じ視覚障害者計4人と、センター職員の女性(32)ら2人の計6人で帰ることにした。

 近くの阿佐ヶ谷駅に着くと、JRは全線が不通。
そこで同駅から出ている渋谷行きのバス乗り場に向かった。
男性らは「人に当たってはいけない」と、白杖(はくじょう)はつかずに片手で抱え持ち、
職員を先頭に前の人の肩にもう一方の手を置いて1列で進んだが、
激しい人混みで何度も人とぶつかって転びそうになった。
女性は「視覚障害者と気づいてもらえず、危ない思いをした」と振り返る。

 超満員だったバスで渋谷駅には着けた。
男性と女性は、大田区へ徒歩で向かったが、2時間で帰宅を断念し、目黒区内の公共施設で一夜を越した。
ただ、トイレへ行くにも誘導が必要で一睡も出来なかったという男性は
「一人で不慣れな場所にいたらどうなっていたか」と振り返る。

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