2018年4月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
フォト
無料ブログはココログ

« 劇団銅鑼「池袋モンパルナス」音声ガイド公演  | トップページ | 障害者やベビーカー 気兼ねせず鑑賞を 大原美術館 岡山 »

2015年11月30日 (月)

第12回小中学生新聞感想文コンクール優秀作品

2015年11月17日 山梨日日新聞

ゴール目指して  上田歩実(山梨大付属小6年)

 赤いトラックをかけぬける一人の青年。
現在17歳の視覚障害ランナー、安西飛呂さん。
生まれつき飛呂さんの目は両目とも異常があり弱視の障害を持っている。
しかし、そんな飛呂さんの障害者とは思えない走りに、私は力強いパワーとチャレンジする勇気をもらった。

 今年の夏休み、私は秋の陸上の大会に向けて走る練習を始めた。
目が不自由かそうでないかは関係なく、同じ人間として一つの目標に向かって努力することに変わりはない。
でも陸上競技の毎日の練習は、正直苦しくてきついと思う。
そのような練習に親子でひたむきに取り組む姿は、未来の可能性を大きく広げるにちがいない。
この飛呂さんの姿が頭にうかぶと、「私も頑張って毎日練習に取り組んでいこう」と心の支 えになっている。

 視覚障害の人が「走る」ということは、どんな世界なのだろう。
私は飛呂さんの気持ちをもっと知りたいと思い、知人の2人のランナーに会ってみることにした。
公園の湖のほとりの遊歩道で、2人は50センチの輪のロープを互いににぎりしめ、二人三脚のようにして走っていた。
練習の休憩時間に少し話をうかがった。

 「目が不自由とお聞きしましたが、走っていて怖くありませんか」とたずねると、
「隣にいるサポーターさんを信頼しているから少しも怖くないよ。段差だって、茂みだって」と明るくほほ笑んだ。

 「では走っている時の気持ちはどうですか」。
「もちろん苦しいけど、風をきって走るだけで本当に幸せな気分だよ。
目が見えない分、耳をすませて小鳥のさえずりや、風のにおいを感じるだけで十分楽しいんだ」

 額の上から汗がぽつりと落ちた。
私は走ることができるだけで幸せという、一言が心の奥に響いた。
実際に一緒に走ってみることにした。
初めは歩幅や走るリズムがバラバラだったが、だんだんと息がそろうようになった。
ロープでつながっているため、気持ちを合わせる難しさをあらためて知った。
視覚障害者にとって走ることは、私たちの想像している以上に不安を感じているのではないかと思っていたが全くそうではなかった。

 障害は不自由かもしれないが、決して不便ではない。
みんな心から走ることを共に楽しんでいる。
私は飛呂さんや出会った視覚障害ランナー、サポーターの人から今まで気がつかなかった大切なことを学んだ。
周りにはたくさんの「幸せ」があることを…。

 障害があっても走ることが好きなら頑張れる。
それぞれのゴールに向かい、未来の可能性を信じて、走り続けてほしい。

« 劇団銅鑼「池袋モンパルナス」音声ガイド公演  | トップページ | 障害者やベビーカー 気兼ねせず鑑賞を 大原美術館 岡山 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 劇団銅鑼「池袋モンパルナス」音声ガイド公演  | トップページ | 障害者やベビーカー 気兼ねせず鑑賞を 大原美術館 岡山 »